「風に舞いあがるビニールシート/森 絵都」 [書籍]
愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。
(「BOOK」データベースより)
この作者で最初に読んだのが「カラフル」で、なんというかオチを
予測できてしまってつまらなかった、と前に記事にしたことが
あったのですが、この本は本当に同じ人が書いたの?!と
思うくらい読み応えがありました。
特に好きだったお話は「ジェネレーションX」。
取引先の若い営業マンが営業車で移動中、ずっと何人もの友だちに
必死に電話で「来い」と食い下がって何かをしようとしている。。。
というものだったのですが、ここでネタバレしますが、元野球部の
メンバーが10年に1回は必ず集まって試合をしようと学生時代に
決めていたとのことで、それを実現させるために彼は奔走して
いたのでした。
しかし、10年も経てばそれぞれの仕事や家族構成など
ライフワークが当然変わっていく訳で、でもそうなったとしても
「10年にたった1日、みんなで草野球ができないような人生は
まっぴらごめんだ。野球になにもかも投げ出すようなバカさ
加減だけはキープしておきたい」
とみんなで話していたのだそうで、その気持ちっていくつに
なっても大事だよなーと思ったりしました。
たとえば上記のような話を聞いて、よく、謙遜で
「やってみたいけどわたしにはそれは無理」
とおっしゃる方もいますが、やっぱり、無理と決めつけてしまう前に
「やってみる努力」をした方がいいのではと思います。
自分で可能性を潰してしまうのは本当にもったいない。
やってみてやっぱりそれほど興味がないかもと思えば
辞めればいいだけの話。
わたしもあとどのくらい、やりたいことができる時間が
あるのか分からないけど、このお話の彼みたいに
「何かに対して何もかも投げ出すようなバカさ加減」は
忘れずにいたいなーと思いました。
2011-03-02 23:59
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